登山レポート:中級者さん向け『立山三山・雪渓コース』【後編】

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登山レポート:中級者さん向け『立山三山・雪渓コース』【後編】

1.日程・場所


日程:2016年9月7日水曜日(※縦走2日目)
天候:晴れのち雨
場所:立山連峰(富山県)




2.アクセス・コースタイム


アクセス:
JR富山駅→(徒歩約9分)→電鉄富山駅より富山地方鉄道乗車→(約1時間)→立山駅下車、立山ケーブルカー乗車→(約7分)→美女平下車、立山高原バス乗車→(約50分)→室堂着

コースタイム:
6:30内蔵助山荘〜7:40別山〜8:50剱沢キャンプ場〜9:30剣山荘〜(朝食約1時間)〜12:20剱沢雪渓〜14:00剣山荘(泊)


3.感想コメント


初秋の立山三山・剱岳を3泊4日縦走してきました。縦走2日目のレポートです。1日目のレポートは登山レポート:中級者にお勧め『立山三山・雪渓コース』【前編】をご覧ください。

さて、早速2日目のコースをご紹介致します。この日は立山三山の3つ目である別山と、日本三大雪渓のひとつ劔沢雪渓を楽しみました。初めての雪渓歩きをしたいと思い軽アイゼンを持って行きましたが、この年の雪渓は近年稀に見る程の状態の悪さらしく、今回は泣く泣く断念することに・・・。しかし雪渓の迫力は、目にするだけでも価値のあるものでした。行程にかなり余裕があったため、ピクニック気分で立山を存分に味わえて良かったです!とはいえ、険しい道が続くので十分な注意は必要です。そして脚にはもちろんRuntageアスリートランナーPROV2


4.登山レポート


写真1

内蔵助山荘にて5時に起床、天気は晴れ。身支度を整えご来光を見に行きました。内蔵助山荘の裏手が展望スポットになっており、そこからは素晴らしい景色が望めます。雲海とそこから登る朝日。息をのむほどの美しさです。ご来光をゆっくり楽しみ、ほどなくして別山に向け出発します。



写真2

足もとには室堂では花を咲かせていたチングルマが、もう綿毛になって紅葉しかけています。山の上はもう秋なんですね。山は季節によって色々な表情を見せてるところがまた一つの楽しみです。



1時間ほど尾根道を行けば別山に到着です。
写真3

そこから10分ほどで北峰まで行けますが、ガスが漂っており、この日の展望は残念ながらゼロでした。晴れていれば剱岳の眺めが良いのだそうです。とても残念です!ここから先は谷へ下りる道となります。剱沢キャンプ場へは急な下り坂で、崩れ易い地面なので滑らないよう慎重に進みます。
写真4

剱沢キャンプ場のある三田平へ下りて来ました。ここにはシーズン中に診療所と派出所が開かれており、剱沢付近の山岳情報が案内されています。

当初は剱沢雪渓の上を歩く予定でしたが、山岳情報によると、残雪の状態が悪く崩落個所が多数見られると記されていました。かなり危険な状態のため今回は雪渓歩きを断念し、その横を通る夏道を利用して雪渓を見に行くことにしました。初めての登山はもちろん、慣れた登山でも山岳情報は事前にチェックすることはとても大切です。



写真5

三田平を過ぎ岩ゴロゴロの道を横切ると、剣山荘に到着です。この時点で時刻はまだ午前9時半。ここで少し遅めの朝食をとりました。
写真6

内蔵助山荘で用意してもらったお弁当とお茶を頂きました。辺りに広がる緑豊かな剱沢、見上げれば雄々しい剱岳。贅沢すぎる環境を前にして、のり弁が何十倍にも何百倍にも美味しくなります!

しばしゆっくりした後、剱沢雪渓へ出発です。



写真7

剣山荘から剱沢に出るまでの道はこんな感じです。木々や植物が生い茂っており、ここは道なのだろうか?という感じですが、そんな中をかき分けかき分け進むと・・・雪渓が見えてきました!
写真8

沢沿いに下り、そして渡ります。
写真9

大きな岩がゴロゴロしているので、濡れずに渡れました。そこからは雪渓の状態が悪い時の迂回ルートである夏道を行きます。ロープや鎖、それから崩れ易い箇所も多々ありますので、慎重に進みます。
そして雪渓の真横まで辿り着きました!
写真10

確かに解けかけていて、初めて見る私でも状態の悪さが分かりました。スノーブリッジの崩落なども見てとれました。とても危険な場所です。
しかし雪渓は迫力があり、美しい自然を見る醍醐味もあります。雪渓の下に口をあける空洞があり、とても迫力があります。平蔵谷対岸辺りまで行き、来た道を引き返し剣山荘に戻ります。

本日は剣山荘で一泊。剣山荘には、なんとシャワーがあります!縦走中はお風呂に入れないのが当たり前なので本当に嬉しいです。水の豊かな立山ならではですね。暖かいシャワーを浴び、15時にはお風呂上がりのビールで乾杯です!お疲れ様でした!


5.ここがおススメです!


お勧めその1:剱沢雪渓!


写真11

やはり、さすがは日本三大雪渓・剱沢雪渓です。生憎のコンディションでしたが、次回は雪渓歩きを実現したいと思います。「また来たい、また違う景色を見たい!」と思える山との出会いは最高です!今回少し近くまでは行ってみましたが、そこだけひんやりとした空気が流れており、それだけでも特別感を感じられました。


お勧めその2:立山でゆっくり!


写真12

山で何泊かするのであれば、一日はコースタイムを気にせず純粋に楽しめるような日をつくるのがオススメです!高山植物や山々の姿を眺めながらゆっくりとする、時間を気にせず山道のバリエーションを楽しむ、3000m級の山々に囲まれながらこんな時間を過ごせるなんて、本当に贅沢だと思います。


6.立山三山・雪渓コースで気を付けたいところ


その1:コースについて


今回の立山三山・雪渓コースはわかりにくい分岐やルート間違いを起こし易い箇所がありました。ペンキマークを辿ることは勿論のこと、分岐では地図とコンパスで自分の位置と方向を確認することを心がけ、正確に進むようにして下さい。高山でのルートミスは命取りです。コースに詳しい人との登山の場合でも任せきりにせず、山への理解を深める姿勢が大切です。何があるかわかりませんので、自分が今どこにいて、どのルート、方角へ進んでいるのかを把握しておくようにしましょう。


その2:雪渓歩きでの留意点


必ず雪渓の状態を確認してから登山の決行を判断しましょう。天候、気温だけでは予測しきれないのが雪渓です。不安な場合には宿泊予定の施設に前日に電話をして状況を聞くなども良いかもしれません。夏の場合でも軽アイゼンを装着する方がお勧めです。


7.秋の立山三山・雪渓コースでの装備はこれが必要!


このコースで秋に一番気をつけるべきは、温度差への対応です。晴れた稜線では暑い日差しに、雪渓では雪と谷に吹く冷たい空気にさらされます。行動中も休憩中もウェアでの体温調節には十分気を使いましょう。
RuntageアスリートランナーPROV2は、汗をかいてもよく通気してくれ、暑い時にムレたような不快感を感じることはなく、寒い時に汗冷えをしてしまうこともありませんでした。この通気性の良さも私が気に入っているところのひとつです!




ぜひ行ってみて下さい!


この立山三山・雪渓コースは1日目は稜線歩きメインで、2日目は谷沿いがメインなので、道や景色もバリエーション富み、立山の良さを存分に楽しむことができます!次の日はそのまま下山ルートを行けば、余裕を持って帰りのバスに間に合います。登山中級者の皆様に是非とも味わって頂きたい山の世界です!
写真13

 

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